葬儀の流れ
Flow

大切な人の臨終には、誰もが大きな心の傷を受けます。しかし、その方が亡くなってから葬式までの時間はあまりに短く、傷を癒している時間はありません。喪主や親族が胸の痛みをおさえ、悲しみをこらえて無事に葬儀を終えてこそ、故人も安心してあの世に旅立つことができます。
葬式までの流れには決め事や事務手続きも多く、粛々と作業を進めなくては滞りが生じます。通夜、葬式、告別式への弔問客にもご迷惑がかかってしまうでしょう。
そこで、臨終からお通夜・葬式・告別式、還骨法要までの一連の葬儀の流れについて、一般的な事柄をまとめました。あらかじめ目を通し、およそのイメージを頭に入れておくことで、いざという時につつがなく葬儀を進行するためのお役に立てばと思います。

ご臨終(病院・自宅)

蓮のつぼみにとまる蜻蛉

在宅医療や終末医療など医療技術の進展により、最近は病院よりも住み慣れた自宅を「終の棲家」とし、自宅で最期を迎えることを希望する方も増えてきました。自宅で臨終を迎えた場合の対処法を説明します。ご自宅で療養中の方が危篤状態に陥り死亡した場合は、かかりつけの医師に連絡してください。医師によって死亡確認が…

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遺体の搬送

病室のベッド

病院で亡くなると遺体は霊安室へ運ばれますが、搬送先が決まるまでの仮の場所ですから、長期間遺体を預かってもらえるわけではありません。遺体を自宅など所定の安置場所まで搬送する必要があります。そのため、すぐに安置場所を確保して、葬儀社に連絡し、寝台車を手配する必要があります。ちなみに、葬儀社に遺体の搬送を…

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枕飾り

果物と花

枕飾りとは、遺体を安置してからお通夜が始まるまでにする儀礼を指し、具体的には故人にお線香をあげられるように枕元に香炉やローソク立てなどを置いた台を組むこと。枕飾りができると、僧侶に枕経を読んでもらいますが、これを「枕勤め」と言います。このお経によって、死者は成仏すると言いますから大切な儀礼です。ここまでが…

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納棺

黄色い花畑

納棺とは遺体を棺に納めること。ただし無造作に納めるわけではありません。納棺の際は遺体を浄めて、旅立ちの衣装(死装束)を着せてから棺に納めますが、これには「死への身支度をする」という意味が込められています。本来、納棺は遺族が通夜までに行うものです。最近は葬儀のスタッフや納棺のスタッフが…

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お通夜

部屋の中の仏壇

お通夜とは、故人を偲んで別れを惜しむ儀式のこと。お通夜に集まるのは遺族や親族、故人をよく知る人たちです。葬儀や告別式が公の葬儀なのに対し、お通夜は私的な送別の場になりますが、喪主にとっては多くの人が集まる初めての儀式。弔問のお礼や故人の最期の様子などを述べる必要もありますし、葬儀(葬式・告別式)の…

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葬儀・告別式・出棺

泣き顔の女性

人々が「お葬式」と呼ぶとき、葬儀と告別式が一緒にされたものを指すことが多いですが、本来は別々の意味を持つもの。葬儀は故人の冥福を祈り、成仏を祈るための儀式で、宗教儀礼や祈りの儀式に相当します。告別式は故人と最後のお別れをする儀式です。日本のほとんどの葬儀式は仏式ですが、神式とキリスト教式の葬儀も…

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火葬・骨上げ

火からのぼる煙

ライフスタイルの多様化によって、従来の葬儀だけでなく、最近は自由葬やシンプル葬というのも増えてきました。しかし、自由な形式で行われる自由葬でも、通夜や葬儀を執り行わないシンプル葬でも「火葬」はほぼ行われます。火葬とは遺体を火で焼却することによって処理する葬法のこと。日本には墓埋法(墓地、埋葬等に関する法律)という…

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還骨法要

遺骨を持つ男性

仏教では故人の没後7日ごとに法事を営んで供養する習慣があります。これには、死者が行くとされる霊界で、7日ごとに故人の生前の罪状などを裁く審判があることが関係しています。それが終わるのがよく知られる四十九日です。葬儀の当日に行われる「還骨法要」もそういった法事・法要のひとつ(還骨法要は宗派によって…

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